ごあいさつ

日本のものづくりの素晴らしさを、いまを生きる人へ。

私たちが強く想うのは、世界に誇れる「日本のものづくりの精神」を、いまの時代を生きる私たちがもう一度深く再認識し、誇りに思うきっかけとなることです。

現代のテクノロジーをもってすれば、AIとデジタル工作機械によって、美しい商品をあっという間に量産することができるでしょう。過去のデータやスケッチを重ね合わせて新しい形を導き出すプロセスにおいては、AIも人間も同じかもしれません。

AIによって、何でも出来てしまうかのように錯覚しそうになる「今」だからこそ、日本のものづくりが大切にしてきたことを私たちは忘れてはいけません。
それは、「作り手と使い手が、感動や想いを共有すること」です。

膨大な試作と失敗を重ねた中から、自らの目で見て、指先で触れたときに、「これだ」と深く心が震えるもの。手にとった瞬間に湧き上がる、あの言葉にできない興奮──。新たな製品が生まれる瞬間には、職人が感じた「感動」が必ずそこにあります。数多のものから五感で感じて選び抜く、という作業だけは、AIには代替できない、人間だからこそ成せる領域だと信じています。

とはいえ、近い将来、この工房でもAIをさらに活用することとなるでしょう。最新技術によって安定した品質を保ちながら作業効率を一層高めることで、当工房の製品の使い手となるお客様との「感動の共有」に、いままで以上に集中できるのではないかと考えています。

私たちが手がける高級木工・筆記具ブランド『Splendor』は、完璧な完成品をお届けして終わりではありません。選び抜かれた木地を独自のワックスで徹底的に磨き上げ、木肌の触感を残した道具たちは、手にした方が自ら手入れをし、使い込むことで、初めて「100%の完成」を迎えます。

「日本の製品は、やっぱり素晴らしい」 その根底にある、たゆまぬ試行錯誤、素材を敬い道具を大切に育てるという日本独自の美意識を、日々の暮らしの中で肌で感じていただきたいと考え、5年間の構想を経てこの工房を立ち上げました。

画面の中だけで完結する体験があふれる現代だからこそ、テクノロジーの便利さを活かしながらも、最終的には自らの五感で「本物」を感じ、自らの手で日常の道具を創り出し、育てる。その誇りと、言葉にできない感動の記憶は、日々の暮らしを豊かに支える一生の財産になります。

将来的には、このデジタル技術と人間の誠実な手仕事を掛け合わせ、自らの手で形にする歓びや「感動する心」を体感できる学びの場(STEAM教育)の展開も視野に入れています。北海道の澄んだ光のように、実直で、確かな誇りを持てるクリエイティブを届けてまいります。